算命学は、自然科学と万象学とをベースにした〈人間学〉(=思想分類学)であり、よく言われるような統計学ではないといいます。
ちなみに、思想分類学という学問領域を聞いたことはなく、ググってもでてきません。わたしはこの講義を受けるまで、算命学とは統計学の一種だとぼんやり思っていましたが、外れることもあるわけで(外れることにはそれ自体にも理由はあるということですが)、厳密な意味で科学的ではないということなのでしょう。
〈人間学〉と言われるように、算命学は「人が世の中を渡っていくための学問」すなわち〈処世術〉であるということです。人間が本来持っている星(運命)に沿って生きれば幸せと感じることができますが、哀しいかな人はその道から外れてしまうことが多々あります。それによって自らを不幸だと感じてしまう。
算命学の発祥は、約4000~4500年くらいまえに古代支那に遡ります。支那の歴史でいえば、殷(いん)の時代(B.C.16世紀~B.C.1023)にあたります。
「殷鑑遠からず」ということわざがあります。
身近にある失敗例を自分の戒めにせよということですが、ここに出てくる「殷」は殷王朝のことです(ちなみに「鑑」は鏡のこと)。ですが、いまから4000年くらい前のことを〈身近かな失敗例〉と言われてもという気がしますよね(苦笑)。石破さん(石破首相)、というよりは自民党にこのことわざを贈りましょう。
この時代には亀の甲羅や鹿の骨を焼いて、そのひび割れの状態を見て物事の吉凶を占っていました。占卜(せんぼく)儀礼が発達し、王朝は軍事力とこうした祭祀儀礼を通じて地域(殷の場合には河南地域[河南は黄河下流])を支配していたのです。