「五行」補遺
董仲舒後
小島祐馬の後生であるから言及しないわけはないと思っていたら、やっぱり上住節子も董仲舒『春秋繁露(しゅんじゅうばんろ)』には触れていました。失礼しました、わたしの見落とし、というより、そこまでページが進んでいなかったのですね。
董仲舒テキストのあとには、班固(はんこ)『白虎通徳論(びゃっこつうとくろん)』(後漢3代皇帝・章帝の建初4年、79年)、王充(おうじゅう)『論衡(ろんこう)』(90年頃)、といった書物において、「五行説」に深みが加わっています。とくに『論衡』は「五行」と占いとを結びつけたテキストとして、かつそこに十二支(じゅうにし)に動物の名称をあてる慣行をはじめてテキスト化した書物です。
おっと、ついに登場した「十二支」。
ちなみに、十二支に動物の名称をあてる手法は、人びとにカレンダを解りやすく説明するために当時よく使われていた方法なのです。とくに漢の周辺諸国にカレンダを広めるために考案されたということなんですけどね。
しかし、動物名は本来十二支の本義をあらわしたものではありません、というのは上住。ということは、名称は〈方便〉であるのかしら。
ここから先、上住節子『算命占法』では現代までもの「陰陽五行説」発達史の概要が説明されていますが、これはここでは割愛します。
「玉骨遙」にまだハマっています
今年(2024年)に入ってから、WOWOW海外(支那)ドラマ「玉骨遙」を観ています、とここで投稿しましたが、なんとか観続けています。こう書くと「イヤイヤながら」という感じが出ちゃいますが、そんなことはなく、連れ合いの其雪(そのゆき)さんと楽しんで視聴しています。
ドラマ「玉骨遙」にハマっている・・・かも | 學のほそ道 ~ 燕居青麓庵 (hozakik.com)
まだ10話くらいまでしかキャッチアップできていないのですが、陰陽五行説がたっぷりとでてきて、算命学の初学者にはなかなか興味深いです。妖怪といったらいいのかモンスタといったらいいのか、主人公たちを苦しめる存在に、「混沌(こんとん)」も登場してきます。あの荘子で言及されている混沌。荘子の記述そのままではないのですが、万事の区別がなく人の手が加えられていない未分化な状態(=混沌)がCGでグロテスク(というより不気味に)描かれています。しかも、そこは憾みが溜まっている空間でもあります。
また、あちこちに道教というか老荘思想が顔を出していますね。まあ、主人公たちが操るのが「法術」と呼ばれる〈魔法〉みたいなものなので、老荘思想は馴染みやすいのでしょう。こういうところも老荘思想を囓っていると妖怪アンテナが立ちますね。
とまれ、ドラマは序の口(もう10話も進んだのに。日本なら最終話に向けて話が畳まれていくところだ)、のんびりと展開を見守っています。こちらの方のブログにはいつも楽しませてもらっています。有り難うございます。
玉骨遙 の検索結果 - 江湖迷人 (hatenablog.com)
『民主主義を疑ってみる』
慶應通信での法乙(法学部政治学科)時代に、西洋政治思想史の授業で何度もお世話になった、梅澤佑介先生の新刊が出たというのでさっそく購入してきました。慶應通信の法学部は現在の法学部長が政治思想史領域のボスなので、梅澤先生のことは密かに〈若先生〉とお呼びしていました。イケメンだし丁寧で誠実な教え方をされるので、ずっと好感を持っている次第。
さっそくに読ませて頂きますね。